去年パン作り研究を始めて主に海外の動画を調べる中でno kneadというレシピが目についたのですが、なんかフェイクっぽい感じがして最初敬遠していました。それでも、以前の記事でも書いたように我が家ではなるべく手を抜いて最大限の成果を上げることが命題なので、この正月おっかなびっくり捏ねないパンに挑戦してみたところ、なんとこれがめちゃめちゃ美味しいのです。一般的なパン作りには、たくさんの工程があり、それぞれに意味があり、それぞれに習熟すべき技術があり、プロが作るような美味しいパンを焼くにはそれなりの努力や試行錯誤が要ります。no kneadだとこのうちのいくつかの工程を完全にはしょることができますから、プロのようなパンのハードルがグッと下がります。

 

材料(カンパーニュ大2個分)

 強力粉1kg 全粒粉100g サワードウ200g 塩22g 水880ml(80%)

①まずサワードウがなければ話になりません。サワードウの作り方は別の記事をご参照ください。使用するサワードウは新鮮で活性のいい状態でなければなりません。我が家では3日に一度のペースでパンを焼きますので、パン生地を仕込んだ翌日と翌々日に餌を継ぎ足して元気いっぱいにして次の仕込みに使うというサイクルができています。たまにしか焼かないという方は、冷蔵保存していた休眠状態の元種を何日がかりかで起こして活性を高める必要があります。

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②パンを焼こうとする前日の夜、ボウルに粉と塩を量り入れ均一にかき混ぜます(ステンレス製の容器は避けた方が良いという説あり、乳酸が金属を溶かすからでしょうか?)。ウチでは有機小麦を栽培しているので全粒粉を混ぜますが、勿論強力粉だけで白いパンにしても構いません。その場合は強力粉が1.1kg。次にサワードウ、分量の水(冷水)を入れ、ヘラなどを使って粉が満遍なく水を含むようによく混ぜ合わせます。粘りを出すために捏ねる必要はありません。ただ素材が均一に混ぜ合わさればよく、所要時間は1〜2分あれば十分です。ボウルにラップなどで蓋をして涼しい場所に置いて仕込みは終わりです。今は冬で寒冷地の我が家では夜間の室温が10℃以下に下がってしまうので、スチロールの容器の中に入れて適当な場所に置いて平均10〜16℃くらいに保つようにしています。

③翌朝から生地の状態を観察します。発酵の完了は基本的に積算温度ですので、低温であれば長時間かかり、高温なら短時間となります。経験的に平均16℃くらいの場合、18〜20時間くらいが適当のようです。前夜の9時に生地を仕込んだ場合、夕方の6時くらいに窯入れになります。目安は生地の量が倍くらいに膨らんで写真のように気泡ができたタイミングですが、これは何回も焼いて経験値を高めましょう。th_DSCF5208

④生地が出来上がったと判断したら、石窯に火を入れます。我が家の自作石窯は余熱で焼くタイプではなく、2層式の、薪を入れながら連続して焼けるタイプなので、長時間の予熱を必要としません。火がついたらパン生地を粉を多めに振ったテーブルの上に空け2分割して、丸めて、離型剤としてコーンフラワーなどを振ったバヌトン(カンパーニュ用のカゴ)に入れます(成形発酵)。th_DSCF5864.jpgth_DSCF5498.jpg

⑤適当なタイミングで窯の中にダッチオーブンを入れて熱します。窯が250℃になるのに1時間くらいかかりますが、天然酵母はゆっくりと発酵が進むので冬場であれば発酵過多になることはありません。気温が高い場合は窯入れの時間に合わせてタイミングを調節します。写真は成形発酵して窯入れする直前。th_DSCF5502.jpg

⑥250℃になったら火傷に注意してダッチオーブンを取り出し、生地を入れてよく切れるナイフで切れ目(仏coupe、英score)を入れます(ウチではオーソドックスな十字形)。ダッチオーブンの蓋をして窯の中に戻し25〜30分焼成します。th_DSCF5789.jpg

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⑦25分くらい経って薄く焼き色がついた頃にダッチオーブンの蓋を取り外しさらに15〜20分焼成を続けます。ウチの石窯ではダッチオーブンの蓋を外した後は薪を足すことができないので(煙が出てパンが燻されてしまうため)焼成の後半では200℃近くまで温度が下がっています。家庭用のオーブンでも210℃くらいに下げます。美しい茶色golden brownになったら出来上がり。即座にダッチオーブンから取り出して金網の上で粗熱を冷ましてから頂きます。th_DSCF5897.jpg

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とまあこんな感じですが、パン作りの経験者ならこの解説で十分かもしれませんが、初心者には絶対的に情報不足ですね。特に80%という高加水の生地の扱いについてはブログで説明するのは難しいです。YOUTUBEにはたくさんの動画がUPされています。例えば手始めにこんなの

を見てみると芋づる式に同じような動画が出てきますので自分に合ったやり方を探してみてください。

こちらはno knead breadの元祖ということになっているJim Lahey本人による超いい加減な作り方動画。とりあえずやってみようという気になります。

さて、ここまではいわゆるno knead breadの作り方ですが、実は今はこれに少し手間をかけてもうちょっと自分好みのパン作りを追求しています。次の記事でご紹介します。

また石窯の扱いについても別の記事に詳述する予定です。

 

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